審査委員長 野田聖子氏に子育てについて聴きました。 | 第2回ぐるっとママ懸賞作文

「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

第2回ぐるっとママ懸賞作文

2023.09.04

審査委員長 野田聖子氏に子育てについて聴きました。

横浜市金沢区を本拠地にしているシーサイドFMでぐるっとママは月一回ゲストをお招きして子育てママパパに役立つ情報をお届けしています。
今回はぐるっとママ懸賞作文「私の出産」の審査委員長をお引き受けして頂いている衆議院議員 野田聖子先生に電話で生出演して頂きました。




先生のリクエスト「世界に一つだけの花」からスタートしました。

そうさ 僕らも世界に一つだけの花
一人一人違うタネを持つ
その花を咲かせることだけに
一生懸命になればいい♪

(山本) 今日は先生に政治の話ではなく、プライベートなお話を伺います。野田先生は妊娠が出来ないという事がわかり、ご主人の精子を持って渡米され、卵子提供を受けて妊娠されました。その事について伺います。

(野田先生) 出産についてはうちの夫の方が熱心だった。夫に子供出来ないよっていったら、乳児院とかで乳児院を回ったがおばさんだからダメ。子どもが参観日には自覚から共働きだからダメ。
ダメ出しされて諸外国では卵子提供があることがわかり、たまたま私に時間が取れる時期があり、今だったら渡米できるという事で受け身だったけれど、夫の為にとは思わず、そういうチャレンジが出来るんだな~という事で
13年前にアメリカに行き、卵子提供を受け、妊娠した。

(山本) 妊娠中、体調が悪かったようですが。

(野田先生) 胎児の食道と胃が分離していて羊水が呑めなかったのでどんどん溜まって行ってしまい、双子分くらいの量の羊水になってしまった。

(山本) お腹の子が障害を持っていると分かった時のお気持ちは?中絶の選択もあった中、どのように判断されたのか?

(野田先生) 私は妊娠が出来なかったが、アメリカ人の女性のお陰で妊娠することが出来た。目の前のエコーに映し出された胎児は障害を持った子だとわかっても愛おしかった。私の望んでいたパートナーが目の前にいる。諦めることはそもそもおかしなこと。

障害を持っていると聞いたのでガイドラインを見ながら、その日を迎えようと思っていたけれど、夫はショックだったらしく、ご主人と相談してくださいと言われた。それは中絶をするかしないかの話し合いだったので、次の検診迄、目を合わせなかった。彼の気持ちもわかるから話をすることを避けていた。



(山本) 出産されてからのご子息まさきさんの事を伺います。何度も手術をされたそうですが。

(野田先生) これまで三途の川を3回わたりそうになった。最初は出産のときです。帝王切開だった。医師から野田さん、看取り産って知ってますか?と聞かれた。

看取り産とは「そのような子はお腹にいるときはママの力で生きるんだけれど、中から出したとき、自力で呼吸をしなければならない時に力不足で天に召されるときがある。そんな時はママが抱っこしてあげて看取る事を看取り産と言うんだよ」出産前にこのように言われたから、困った。それが前提だったから、仮死で産声もほとんどなくても生きているんだという、先生がテンションを下げていてくれたおかげでうれしかったです。生まれてすぐ人工呼吸器に繋がれるんです。

二回目は病院で起きてしまった。心臓の弱い子はそうなんですけど、問題を起こして緊急手術をするんですが、血栓が脳に行ってしまい、脳梗塞。緊急手術でしたがその時も夫が付き添ってくれた。私は仕事が入っていたので夫に言ったら「僕がいるから、あなたは仕事を続けてください」と。凄い腹が座っている人だなって「仕事をするのが本意でしょ」と。

3度目が我が家でした。それが2歳半の時、退院してすぐの事でした。万全の体制で退院したが、病院と家では違っていて空気が乾燥しているんですね。息子の人工呼吸器のジョイント、そこの管が乾燥して固まってしまった。ノリをずっと開けておくと固まるでしょう。あんな感じです。それで窒息したんです。

百戦錬磨と言われている国会議員ですが、一番大切な人が死に行くというのは試練だった。逆にシンプルに死ぬために生きているんだという事を教えてくれた。一日一日を無駄にしないという事。

(山本) まさきさんのお陰で障がい者に寄り添う政治がわかったとは?どのようなことを指しますか?

(野田先生) 教育も受けさせてやるという、障がい者は教育委員会に行って入学の許可をもらいます。このように自分の意思では決められない。うちの子は普通の子なんですが、優秀な子で障害があるというだけで彼ら彼女らの可能性がつぶされている事が胸に痛む。ちょっとの事で行けるべきところに行けない子をたくさん見てしまった。この国のキャパというか・・・。

冒頭の歌にあるようにみんなバラバラなんです。多様性というけれど、多様性という言葉自体が嘘くさくて男性女性ジェンダーと分けるけれど、多様性という言葉がそれぞれみんな違うじゃないですか。多様性という言葉がカテゴリーをつくっているのではないだろうかと思っている。

(山本) 仕事と子育てを両立されていますが、その秘訣を教えてください。

(野田先生) 私はいかに楽に生きれるかと人様にお願いする労力をいとわない人間なんです。ママ達にないのはそこなの。一人で頑張るから嫌になっちゃうんでとにかく頼むという事はハードルが高いかもしれないが、それが出来るスキルを持った女性を増やしたい。

(山本) 夫に頼むってなかなかできない人が多いと思いますが?

(山本) みんな、一番近い人に言わない。夫はやらなきゃね。我が家の社会実験ですが、夫が育てた方が子どもにとってはいいかも。母親は自分の肉を犠牲にして産むじゃから熱い気持ちになるけれど、夫は痛い目に合わずに親になっているから、子どもとの不条理な日々を送ることで子どもにとってはバランスのとれた子育てになる。

(山本) 女性は感情的になるけれど、男性は理性的

(野田先生) いや、うちの夫は子どもがワーワーやっているとブワーッと怒っていますよ。ママは近いから感情的に見えるけれど、お父さんがやったらおんなじだけ感情的になる。腹が立つ。何で行ったことが出来ないんだろう。そういうのは男女関係ないです。そういう状態でも国のトップとして仕事をしている。

(山本) 夫に頼むのは嫌だ、夫に頼むくらいだったら自分でやった方が良いと思ってしまう

(野田先生) それが負荷になっちゃう。大臣、何回かやったけど、私がコロナになったら副大臣がやってくれるとか。仕事大変だねと言ってくれるけれど、むしろ母親には副ママとか、ママ政務官とかはいないから子育てが大変になってしまう。

この間、子連れ旅行でいろいろ言われたけれど、子連れというのが私たち女性のハンディになっている事も知ってもらうには良い機会だった。私自身も息子が障害を持っているので何日もあけられないので中々出張に行けないけれど、どうしていかなければならない時は息子、人工呼吸器、夫と一緒に行くんです。健常な子どもでもママが子どもを見るという事になっているんでキャリアのチャンスを失ってきた。私は世論にあらがうのではなく、自然にできるんだなというサンプルを作っていきたい。シャイな夫の尻を叩いて出張に連れて行っている。

(山本) どうしたら夫を巻込めるか?

(野田先生) そうではなくていろいろ言われても気にしないってことです。ママだからやらなくちゃという気持ちを外してママは半分くらいでいいんだとこれだけ頑張って産んだんだからと。色んな専門家がいるんで。ママが妊娠したらいきなり専門家ではない。ママ自身のこだわりをなくすことが大切。まじめであることが多くのママを苦しめている。母としてこうあらねばならないとか、いいお母さんになろう、良妻賢母になろうとか。
いいママって多少抜けていても子どもにいつもにこにこしている余裕のあるママなんじゃないかなって。



(山本) 昨年の懸賞作文を読まれての感想を教えてください

(野田先生) 一人一人が前向き。今は妊娠・結婚・子育てが恐怖のイメージが多い。 そうではないんだよという喜びが書かれている。不安だけど不安に勝るよろこび。お産の事実を知ってもらうことの大切さ、大変だけれど大変よりも良いことがあると書いてある。そのような思いを作文によって広げていってほしい。

(山本) ママに伝えたい事

(野田先生) ママとして、子どもを生むからママと言われるんだけれどもそれぞれが違うから、大切なことは子どもにとって一番素敵なママは余裕があること。笑顔つくり。パパでもいいし、赤の他人でもいいと思ってる。シングルで育てている人もいるから。自分が100%やることがママ業ではない。セイフティネットがあるんだな。お互い、たたえ合う、支えあう、慰めあうことが出来る社会なんだなと波紋のように広がっていけばいいな。作文で拡がっていけばいいなと。

自分たちがかたくなになってしまうと勇気を持って楽しんでほしい。自分の子だから託すのが不安だというのがあるけれど、一人では無理よというスタンスは大切。人の力を借りる事。夫とは子どもを守る戦友みたいなもので一人では背負いきれない命だから、あんたもやってよと言うくらいの関係を。ママの方が強いんだから。

(山本) 力を入れている事を教えてください。

(野田先生) 人口減少は子どもが生まれないというだけでなく、歴史を紡いでいく大事な事だから女の人ばかりに任せないでとそういうアピールを男性の多い職場でしています。

(山本) ご主人との関係で大切にしている事、気を使っている事は?

(野田先生) 私が気を遣っています。仕事で疲れたとは言いません。好きでやっているんでしょって言われちゃう

(山本) 心掛けている事は?

(野田先生) 私はぼーっとしている方なんだけれど、いるだけで面白いって言われているのでそれでいいかなと。色んな正義があって私がこうやって頑張れるのはまさきという守るべき人がいるからで子どもがいるから思った以上に強くなれる。

(山本) 横浜にある「うみとそらのおうち」子どもホスピスについて

子どもホスピスは私のテーマでそれは国費が入ってなくてみんなの努力だけでやっているんだけれど、国が責任を持つべき。 そういう事って本当に日本の政治から置き去りにされていて、こども庁を作りたかったのは四六時中、子どもの議論が出来る国にしたいなと思っています。

ママは頑張りすぎず、上手にゆらゆらと生きてください。
 
編集後記
大きい人だな~~、どれほどの苦難を乗り越えた方なんだろうと思いました。昨年から始めた、ぐるっとママ懸賞作文「私の出産」の審査委員長を快諾して頂き、先生の飾らないお人柄と器の大きさに惹かれます。

今回の対談でも多くの愛を頂きました。愛は力、真の力は愛、それを感じさせて頂ける時間となりました。これからの時代は競い合う事ではなく、調和の時代だ。日本初の女性総理大臣になっていただきたい。
野田先生からのメッセージにもあるように女性は頑張りすぎず、人の力を借りられるようになってゆらゆらと生きていきましょう。



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