幸せを育む素敵な人間関係 その⑫ [柿谷先生のコラム] | 選択理論心理学・柿谷先生のコラム

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2021.03.23

幸せを育む素敵な人間関係 その⑫ [柿谷先生のコラム]

「やさしさこそが大切で悲しさこそが美しい」
 
 脳性マヒでありながらも、明るさと優しさを持ち続けて15年の生涯を閉じた、山田康文君の素晴らしい詩をご紹介したいと思います。

自分の身体を思う様に動かすことが出来ない過酷な状態の中でも、彼の心は思いやりと感謝の気持ちに満ち溢れていました。



ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
ぼくを背負う かあさんの
細いうなじに ぼくはいう
ぼくさえ 生まれなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを
背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら



この詩を読んだお母さんがすぐ次の詩を書きました。


わたしの息子よ ゆるしてね
わたしの息子よ ゆるしてね
このかあさんを ゆるしておくれ
お前が脳性マヒと知ったとき
ああごめんなさいと 泣きました
いっぱいいっぱい 泣きました
いつまでたっても 歩けない
お前を背負って歩くとき
肩にくいこむ重さより
「歩きたかろうね」と母心
”重くはない”と聞いている
あなたの心が せつなくて

わたしの息子よ ありがとう
ありがとう 息子よ
あなたのすがたを 見守って
お母さんは 生きていく
悲しいまでの がんばりと
人をいたわる ほほえみの
その笑顔で 生きている
脳性マヒの わが息子
そこに あなたがいるかぎり



このお母さんの心を受けとめるようにして、康文君が次の詩を残しました。


ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが 大切で
悲しさこそが 美しい
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり

「おかあさん、ぼくが生まれてきてごめんなさい」    向野幾世著 扶桑社より


 人間関係が悪くなると、身近な重要な人に「ありがとう」や「ごめんなさい」が言いづらくなります。

逆にどんなに状態が悪くても、人間関係が良ければ、思いやりや感謝の気持ちを伝え合って困難を一緒に乗り越えることができます。

選択理論を生活の中に取り入れて、ぜひ「幸せを育む素敵な人間関係」を築いて欲しいと思います。





著者の柿谷寿美江先生(中央)

著者:柿谷 寿美江
発行:クオリティ・コミュニティをめざす会


 
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