全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と④ [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2021.06.24

全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と④ [薬学博士からのアドバイス]



科学的栄養学No.161
全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と④
 ・大麦を主食にすると満腹感が高まり、内臓肥満が改善

全粒穀物を日常的に食べると、腸の中で発酵する食物繊維や抗酸化物質などを丸ごと摂れる。

また、さまざまな生活習慣病のリスクを減らすことがわかってきたが、なかでもメタボや血圧、がんといった年齢とともに気になる病気のリスクを下げる働きが注目。

今回から、日本人を対象に確認された大麦ごはんを用いたメタボ改善研究や、大腸がんとの関わりなど、全粒穀物を食べると体の中でどのようなことが起こるのか解説していきます。


全粒穀物を継続的にとる食生活によって糖尿病、心血管疾患、がんや脳卒中による死亡リスクが低下することを前回まで解説してきました。

また、数ある食品のなかでも全粒穀物は糖尿病発症予防に高い有効性を発揮することなどの世界の最新研究報告についてお伝えしました。

日本人はもともと全粒穀物を多くとる食生活を送ってきていましたが、近年、食感の良い白米やパン食の普及とともに、主食は精製穀物に切り替わってしましました。そのため、日本人はもっと全粒穀物をとるべきという状況に代わってしまいました。

食物繊維は便秘解消のためにとるもの、というのが一般的な認識ですが、それだけでは実にもったいない。

現在、全粒穀物の中で一番推奨されるのが「大麦」です(麦ご飯用の大麦は、外皮が除かれているため厳密には全粒穀物ではないが、食物繊維量は全粒大麦とほぼ同じであることから同等に扱える )。それは多彩な機能性を持つ水溶性食物繊維β‐グルカンを豊富に含むからです。

大麦は、そのメタボ改善効果が日本人を対象にした研究で確認されています。

大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授らは、白米を大麦ごはんに置き換えることによって、日本人の内臓脂肪肥満が軽減できることを報告しています。

1日2食の3割大麦配合ご飯(β-グルカン1日あたり2.8g)を12週間とることで、腹囲と内臓脂肪面積が有意に減少したとのことです。

大麦の内臓脂肪肥満の改善効果について、青江教授は「大麦の水溶性食物繊維は、ねばねばとした粘性があるため、食べると胃の中でふくらみ、長くとどまる。
また、満腹感を高める消化管ホルモンの分泌にも影響して食べ過ぎを抑え、食事のエネルギー摂取量を低減させる」と説明する。

 また、青江教授は、朝食で大麦ごはんを摂取すると、白米ごはんを摂取した場合と比較して、満腹感が高まり、昼食時のエネルギー摂取量が有意に減少することを報告している( Plant Foods Hum Nutr. 2014; 69(4): 325–330. )。


また、朝食あるいは昼食に大麦を含む食事をとることで、次の食事の血糖値の上昇を抑えることや、血中コレステロールの低下作用も確認している。

 つまり、大麦はダイエット、血糖値抑制、コレステロール抑制の効果が実証されています。

つづく
 
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