2023.08.10
脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!④ [薬学博士からのアドバイス]
脳科学的栄養学No.241
脳はアルコールを欲しがる? この不思議な相性!④
◇もちろん、飲み過ぎれば深刻な影響が全身に…
脳がアルコールを欲しているといっても、大量に飲んでもいいというわけではありません。
ものには必ず限度というものがあります。
大量の酒を飲んで「血中アルコール濃度」が急上昇すると、脳に大きな影響が出て、それが全身に波及することは明らかです。
アルコールが前頭葉に影響を与えて、ほろ酔い気分になったり、陽気になったりしているうちはまだいいのですが。
しかし、小脳に影響が出てくると、今度は、ふらついたり、千鳥足になってきます。
そして、さらに進むと意識がなくなり、最悪の場合、死に至ってしまうことに。
急性アルコール中毒にならないよう気をつけるのはもちろん、アルコールの分解能力が低い人は血中アルコール濃度が上がりやすいので注意が必要。
短時間に大量のお酒を飲み過ぎないようにすることに加えて、習慣的に飲み過ぎることで、肝臓にダメージが生じ、がんなどの病気のリスクも上がるので注意しなければなりません。
なかなか一般の方には実感がわかないかもしれませんが、私は若いころ薬理学の動物実験で、飲酒や喫煙が肝臓や肺にがんを発症させた事象を何度も経験してきていますので、よく理解できます。
前回解説したようにアルコールで脳が萎縮しても認知機能にはさほど影響はありませんが、習慣的な飲酒が動脈硬化や糖尿病などのリスクになり、それらがやがてアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症につながる恐れは大だと言えます。
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