全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と③ [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2021.06.17

全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と③ [薬学博士からのアドバイス]



科学的栄養学No.160
◇全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と③
 ・“穀物離れ”で日本人の食物繊維摂取量が減っている

日本人が全粒穀物をもっと取る必要があるのは、グラフに示すように食物繊維の摂取量が1955年の20g以上から現在の約14gへと一気に減少しています。

しかも、穀類からの食物繊維摂取量が約7割も大幅に減少し、食物繊維摂取の減少に大きく影響を与えていることが分かります。

 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」で定められている食物繊維目標量は、「1日あたり成人男性21g以上、成人女性18g以上」。現状の食物繊維摂取量では、「不足」の状態にあることがわかる。

 白米ごはんには100gに0.6gの食物繊維しか入っていません。

食物繊維を少ししか含まない白米でも、日々、コンスタントにとる主食であるために、全体量への影響が大きくなります。

また、米離れとともに、大麦などの雑穀が食べられなくなったことも原因のひとつです。日本人の食物繊維の補給源は、穀類が重要です。まず、しっかり主食をとること。

さらに、主食を全粒穀物に変えると、楽に、簡単に、効率的に食物繊維の量摂取量を増やすことができる。

日本人の摂取基準では、食物繊維の摂取量が生活習慣病の発症率や死亡率に密接に関係していることは指摘していますが、何から食物繊維をとるべきか、全粒穀物については触れていません。白米の摂取量を増やすこに重きを置いています。

「大麦を混ぜたご飯や玄米を主食にすれば健康になります、という指針を示した方が白米離れにもむしろブレーキがかかるのではないだろうか」と、穀物の機能性に詳しい大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授は述べております。

ただし、穀物のとりすぎは糖質のとりすぎにつながるのではという疑問もあります。

その通りで、穀物の摂りすぎは糖質の摂りすぎにつながり、血糖値が急上昇し、糖を処理するためにすい臓から分泌されるインスリンの働きによって余った糖が内臓脂肪としてためこまれ、肥満につながることは当然です。

また、糖尿病の発症要因になったり、皮膚のたるみやしわ、動脈硬化を引き起こす「糖化」の一因にもなる。糖質の過剰なとりすぎはメタボや老化を加速させる。

 しかし、それは砂糖を多く含む菓子や清涼飲料水のとりすぎ、白米や白パンといった精製された穀物のとりすぎに問題があるということです。

安易に主食の摂取量を減らしてしまうと、食物繊維不足に拍車がかかります。

さらに、穀物由来のでんぷんや食物繊維を腸で待ち構えている乳酸菌やビフィズス菌などの腸内細菌のエサの枯渇を招き、私たちの健康を支えている腸内細菌叢にも悪影響が及ぼしかねないのです。

 再度、健康を下支えする全粒穀物について私たちはしっかり見直していく必要があります。つづく

 
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