全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と⑦ [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

2021.07.15

全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と⑦ [薬学博士からのアドバイス]


 

科学的栄養学No.164

◇全粒穀物とアンチエイジングの最新研究が続々と⑦

・朝食に大麦を摂ると。昼食時でも血糖値が抑えられる!

 

これまで、このシリーズで、全粒穀物を日々コンスタントにとることによって、内臓脂肪減少やコレステロール抑制などのメタボ改善効果が得られることを紹介してきました。
 

きっと、読者の中でもっと全粒穀物をとろう、と決めた人も多いと思います。そこで、あなたにはぜひ朝食での摂取をお勧めします。それは、朝食で全粒穀物をとると、昼食での血糖値上昇も抑える効果が期待できることが分かってきたからです。

 

今回は、どんな全粒穀物を選び、どのぐらいを目標にとればよいかについて解説していきます。

 

まずは朝食の主食を全粒穀物に置き換えることをお勧めします
 

それは昼食でセカンドミール効果が得られるからなのです。
 

「セカンドミール効果」とは、1982年にトロント大学のジェンキンス博士によって発表された概念で、最初にとる食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)の後の血糖値に影響を与えて血糖値が抑制されることをさします。

 

すでに、紹介したように大麦は、日本人で内臓脂肪や腹囲の減少、コレステロール抑制などメタボ解消に役立つことが確認されています。

 

この大麦を配合したご飯でも、セカンドミール効果が確認されています(図参照)

 

大麦のセカンドミール効果のメカニズムについて、前術の穀物の機能性に詳しい大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授はは次のように説明しています。

 

朝食(1食目)

大麦に含まれる粘性のあるβ-グルカンが胃や腸をゆっくり通過することによって食物や、穀物そのものに含まれる糖の吸収を抑える

 

昼食(2食目)

大腸でβ-グルカンをエサにした腸内有用菌が短鎖脂肪酸をつくる。その短鎖脂肪酸が腸管を刺激し、腸管ホルモンの「GLP-1」がインスリン分泌を促すことで、昼食に通常の食事(糖質50gを含む食事)をとっても血糖値の上昇が緩やかになる。

 

血糖値の上昇が抑えられるのはもちろん、朝食時に全粒穀物をとれば、満腹感が高まるために、昼食の食べ過ぎも抑えられるのです。

 

同様に2020年には、健康な日本人を対象に、大麦粉パン(β-グルカン2.5gを含む)によっても同様にセカンドミール効果が得られることが確認されています

(Nutrition. 2020 Apr;72:110637.)

 

 

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