大豆食品の摂取が多いと前立腺がん死亡のリスクが高くなる可能性? [薬学博士からのアドバイス] | 薬学博士 竹内久米司さんからのアドバイス

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2021.04.02

大豆食品の摂取が多いと前立腺がん死亡のリスクが高くなる可能性? [薬学博士からのアドバイス]



科学的栄養学No.149

 

◇大豆食品の摂取が多いと前立腺がん死亡のリスクが高くなる可能性?

 

大豆製品は健康維持に欠かせない食品で、私も積極的に食べている一人ですが、ちょっと気になる報告が出ました。

 

納豆、味噌、豆腐などの大豆食品と大豆に含まれるイソフラボンの摂取量が多い男性ほど、前立腺がんで死亡するリスクが高くなるという報告です。

 

国立がん研究センターによる日本人対象の大規模調査で明らかになりました。

 

 がんや心血管疾患の既往歴のない4574歳の男性43580人に、質問票を使って食品ごとに摂取頻度を記入してもらった。1995年から2016年までの追跡調査(平均16.9年間)で前立腺がんによる死亡は221人だった。

 

 イソフラボンの摂取量で5つのグループに分けたところ、最も多いグループは、1日あたり味噌を約26g、豆腐を約66g、納豆を約37gとっていた(いずれも中央値)。

 

 解析の結果、イソフラボンの摂取および大豆食品の摂取は前立腺がん死亡リスクの増加と関連していたという結果になりました。

 

大豆食品の総摂取量が最も多いグループは最も低いグループに比べて、前立腺がんの死亡リスクは1.76倍高かった。

 

 前立腺がんは比較的進行がゆるやかで、早期にはがんの病巣が前立腺の中にとどまっている。

 

しかし、進行して、がんが前立腺を超えて広がったり、ほかの臓器にも転移したりすると、進行前立腺がんといわれる。

 

疫学データで大豆やイソフラボンの摂取は前立腺がんの発症を予防すると報告されてきたが、最近では進行前立腺がんの発症リスクを高めるという報告も出てきた。

 

 また食品別に見ると、味噌は摂取量が多いほど前立腺がん死亡リスクが高くなったが、納豆ではその傾向は見られなかった。

 

納豆は味噌と比べて食物繊維やたんぱく質が多く、それがイソフラボンの作用を抑えている可能性があるようだと説明。

 

原著論文

Int J Epidemiol.; 電子版Sep 23, dyaa177,2020

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