今いじめられている君へ [柿谷先生のコラム] | 選択理論心理学・柿谷先生のコラム

人は変えられないが、自分は変われる。そして、幸せを生きる。

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2021.05.10

今いじめられている君へ [柿谷先生のコラム]

「苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした」
 
 いじめられている君に、こんなことばはピンとこないと思う。

​​​​​​このことばは、苦しみをのりこえた人が実際語ったわけだから、その人にとっては真実なのだ。

今苦しんでいる君にも、そう言えるときがきっとくる。

そして、ぜひそう言えるような生き方を選んでほしい。

「問題や障害が人を不幸にするのではなく、それに対する態度が人を不幸にする」(エピクテトス)。

確かに今大きな問題に直面している。

でもその問題そのものが人を不幸にするのではなく、問題に対する態度、姿勢が人の幸、不幸を決めるのだ。

君が問題を乗り越えるために、役立つことをいくつか分かちあいたいと思う。

 いじめは、どれほどなくす努力をしても、どこにでもある。大人社会にもある。

家族の中にも残念ながら起こり得る。歴史のなかで戦争がなかった時代はなかったし、いじめのない社会はない。

いじめられないにこしたことはないが、いじめが自分の身に起こったときに、絶対にありえないことが起こったとは考えないことだ。

君以外にもいじめられている人はいる。みんなそれなりに対処している。

必ず良い対処の仕方はある。


 人間には誰でも、友だちがほしい、自分に価値があると感じたい欲求がある。

ちょうど水を飲みたいという欲求が、誰にでもあるように、こうした欲求は、幸せな人生を生きるためには満たさなければならない。

でも、すべての人から好かれる必要はない。

今君をいじめているグループの人たちから、「愛、友情」が得られなくても、必ず君のことを気にかけてくれる人はいるし、新しい友人もきっと、いつかつくれるときがくる。

 樹木は風にゆられて根をしっかりとはる。

金は火で精錬されて、その純金度をましていく。

問題にぶつからずに成長する人はいない。

君がこのいじめの問題を克服したときに、人の悲しみや苦しみを深く理解し、やさしさを身につけた人になれる。

ひとまわりも、ふたまわりも大きくなれる絶好のチャンスなのだ。

 君にしかできない仕事がある。

どんなに苦しくても、つらくても、誰にもできない君だけの仕事。

どんな障害、難題をかかえていたとしても、君にしかできない仕事がある。

それは君の人生を生き抜くことだ。

 きっと君は、「苦しみに会ったことは、私にとってしあわせでした」と言えるようになる。

すぐに結論を出さずに、嵐が通り過ぎるまで、苦しみがしあわせに変わるまで一緒に歩もう。


 


(柿谷カウンセリングセンター所長)
「今いじめられている君へ」  カウンセラー50人からの手紙  
 松原達哉[編] 立正大学教授   教育開発研究所


 
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